日本は超高齢社会と同時に人口減少社会に向かいます。医療・介護を必要とする高齢人口がますます増加する一方、それを支える医療・介護従事者は確実に減少する状況になり、医療・介護の業務の省力化と効率化を実現できない限り、現在の医療・介護サービスのレベルの維持は困難になります。ICT(情報通信技術)やAI(人工知能)を利用し医療・介護現場の生産性を革新的に高める必要があります。
医療ではカルテ、レセプト(診療報酬明細書)、検査画像のデジタル化が進んでいますが、今後はICT(情報通信技術)を一層利用して診療情報の構造化・ネットワーク化を進め、情報活用のスピードアップを図り、患者の状態を正確にリアルに把握するなど、医療現場の業務効率を上げることができます。またICT利用によりドクターが患者を訪問せず患者情報や画像を見るなどで診療を行う遠隔診療が可能になり、訪問診療ドクター、看護の負担も低減します。
現在注目のAI(人工知能)は医療も革新すると考えられています。AIによる画像診断や症例診断により、ドクターは治療方針の決定と患者とのコミュニケーションに注力できるようになり、現在の手術支援ロボット「ダヴィンチ」はドクターが遠隔で操作するロボットアームで手術する機械ですが、AI搭載手術ロボットに代わればドクターが手を動かさず手術を実行できます。
介護では介護ロボットの導入により職員の身体的負担を軽減し、高齢者の見守りにAI搭載の身体センサーや画像識別を利用し、職員の業務負担の軽減も可能になります。
ICTとAIで革新する医療と介護、これからの医療・高齢者施設の設計では、ICTやAI搭載機器、ロボットの導入に適応する施設の設計が求められます。