在宅医療とクリニック設計

在宅医療とクリニック設計
「病院から在宅へ」、国は今年度の診療報酬の改定で、その方針をより加速させます。 現在の医療費約42兆円のうち40%近くは入院にかかる費用、国は入院患者を在宅に移すことを、増え続ける医療費の抑制の重要な施策としています。

現在、入院患者の50%が75歳以上の高齢者です。2025年には国民の4人に1人が75歳以上になり、今後は高齢者の医療ニーズが一層増えます。高齢になってもできる限り入院せず、自宅や地域の介護施設で暮らせるように在宅医療や介護を充実させる方針です。
在宅医療とクリニック設計

 国は各自治体に、在宅医療のセンターとなる在宅療養支援病院や在宅療養支援診療所の整備を促すとともに、街のクリニックが在宅医療を担えるよう「かかりつけ医」の診療報酬を増額、夜間や休日電話対応できるようにしました。高齢や慢性的な病気で通院が難しい患者はインターネットなどの通信で遠隔診療する「オンライン診療」が診療報酬に新設されました。また介護との連携も重視し、「自宅でのみとり」の報酬も加算されています。

 今後の在宅医療のニーズの拡大は、現在の通院患者の治療を主とするクリニックから、訪問診療とオンライン診療のステーションとしての機能が必要になると、次の時代のクリニックの設計を考えています。

医療・高齢者施設の建築と未来